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マゴコロ通信~罪悪感・疲労・葛藤に寄り添う~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

罪悪感・疲労・葛藤に寄り添う

 

① 家族の感情曲線を知る(名前をつけるだけで楽になる)

  • 感情の流れ
     否認 → 怒り → 取引 → 抑うつ → 受容
      日によって行き来するのが自然な反応。

  • 言葉がけのポイント
     「そう感じるのは自然です」
     「一緒に作戦を立てましょう」

  • 比較の罠
     「隣の家はできている」→ 家庭ごとに条件・支援体制が違うと説明する。


② 期待値の再設計:家族会議の“型”

1️⃣ 目的共有:「“できることを増やす”を優先に」
2️⃣ 役割分担:家事・見守り・通院同行を具体的に割り振る
3️⃣ レスパイト計画:デイ・ショート・訪問看護など、使い時を決めておく
4️⃣ 連絡網の整備:昼/夜/緊急時の窓口を一本化

“話し合い=負担調整の時間”と位置づけることで、家族の安心感が増す。


③ よくある葛藤と介入

家族の葛藤 対応・提案
「入浴は毎日!」論争 安全と体力を優先し、部分清拭+足浴を提案。
「自分がやるのが愛情」 “やり方を整える=愛情”と再定義。用具・導線を省力化。
金銭不安 小額財布+レシート貼付で見える化。詐欺対策も併せて説明。

④ 家族への説明トーク例

「“毎日完璧”より、“無理なく続くやり方”が安全です。
今日は足湯と清拭で温まって、明日入浴にしましょう。
記録を写真で共有して、うまくいった型を増やしますね。」

言葉+共有+振り返りで“成功体験”を可視化。


⑤ レスパイトの導入は“後ろめたさ”に効く

  • 事実:休む家族ほど介護を長く続けられる。

  • 選択肢
     ・デイの短時間利用
     ・入浴のみ利用
     ・ショートステイ“半日”から始める

  • 休むサイン
     怒りっぽい/眠れない/涙が出る → 「そろそろ休む合図」️

“休む=続けるための技術”として伝える。


⑥ 境界線とセーフティ(ヘルパーを守る)️

  • 金銭・鍵・通帳
     原則として触れない。受け渡しは第三者立ち会い。

  • ハラスメント対応
     複数訪問・記録・通報フローを事前に説明。

  • 個人連絡先
     利用者・家族に渡さず、事業所を窓口に統一。

⚠️ 現場を守る仕組みが「継続支援」の土台になる。


⑦ 現場ケース

介護疲れで口論が続いていたNさん一家

  • 状況:入浴頻度をめぐり夫婦喧嘩が常態化。

  • 介入:家族会議で週2全身浴+隔日清拭に合意。
     → 「できた日シール」で成功体験を可視化。

  • 結果:口論が半減し、会話時間が増加。

「達成感の共有」が家族の雰囲気を変える。


⑧ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ 家族の感情に“名前”をつけて返したか
☐ 役割・連絡網・レスパイトの3点セットを提案したか
☐ 金銭・鍵・通帳には触れない運用にしたか
☐ ハラスメント対応の窓口を周知したか


⑨ まとめ

家族支援は「説得」ではなく「整えること」。
言葉 × 選択肢 × 休む仕組み を整えることで、
家族はもう一度“介護を続ける力”を取り戻します。

寄り添いとは、我慢を減らし、希望を見える形にすること。