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マゴコロ通信~SOAP・経過記録・引き継ぎの“型”~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

SOAP・経過記録・引き継ぎの“型”

 

① 記録の原則:事実 → 評価 → 計画(SOAP)

要素 内容 記入例
S(主観) 利用者・家族の言葉をそのまま引用 「『今日は足が重い』と訴え」️
O(客観) 観察した事実・数値・時刻 「歩行速度低下、SpO₂ 96%、食事6割」
A(評価) SとOからの仮説 「疲労+軽度の脱水の可能性」
P(計画) 次の行動・方針 「白湯200ml、午後は外出控えめ。明日も歩行速度を確認」

ポイント
誰が読んでも同じ行動が取れるよう、事実 → 判断 → 次の一手を明確に。


② “悪い記録”を“良い記録”に直す ️

NG表現 OK表現 改善のポイント
「部屋が汚い」 「床に洗濯物3点、廊下に紙パック2本」 状況を具体的に描写
「機嫌が悪い」 「声量が上がり『帰る』を5回発言」 主観を排除し、事実で表す
「いつも通り」 「朝食:粥200g、味噌汁半分」 定量的に記録

判断語を避け、誰が読んでも同じ光景が浮かぶ“再現性のある記録”を意識。


③ 経過記録テンプレ(コピペ推奨)

〈時刻〉8:55 〈出来事〉入浴介助
〈観察〉立ちくらみ×1回(約30秒)
〈対応〉座位休息+白湯100ml
〈結果〉表情改善
〈次回〉入室前の水分声かけ、浴室マット増設検討

3行ルール
1️⃣ 今日起きたこと
2️⃣ なぜ(仮説)
3️⃣ 次回どうする

視認性UPの工夫
タグ絵文字で定型句を見やすく(例:=入浴/=食事/=口腔ケア)。


④ 引き継ぎメモは“未来志向”で

  • NG:「特になし」「いつも通り」

  • OK:「昼食後に眠気強く、15時の散歩は短めに」「便秘傾向:最終排便8/20」

連絡先も明記
主治医 → 訪問看護 → ケアマネの優先順を統一。


⑤ 監査・指導でつまずくポイントと対策

よくある問題 改善策
計画と記録のズレ
(目標“掃除”なのに内容“会話”ばかり)
ケア目標を生活目標に翻訳:「来客を迎えたい」など具体化。
同じ表現のコピペ 食事量・歩行速度・表情・排泄などの時系列変化を観察。
個人情報の扱い 必要最小限の記載+施錠・持ち出しルール徹底。

⑥ 家族・多職種に伝わる“短文の型”

「今日は歩行速度が遅めで昼食は6割、白湯で改善。明日は入浴前に水分を先に取ります。」

1文の構成ポイント

  • 数字(定量)

  • 比較(変化)

  • 次の一手(行動計画)


⑦ 現場ケース:記録の言い換えで転倒予防

  • Before:「ふらつきあり」

  • After:「立ち上がり2回目でふらつき、椅子に手をつかない。夜間トイレ2回」

→ 足元灯+手すり設置を提案し、夜間転倒ゼロを実現。


⑧ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ S/O/A/Pの順に書けたか
☐ 事実と解釈を分けたか(引用と数値)
☐ 次の一手(P)を書いたか
☐ 引き継ぎメモを未来志向で残したか


⑨ ミニワーク(5分)

今日の記録から 判断語を3つ削除 し、
事実表現 に言い換えてみよう。

(例:「元気そう」→「会話時に笑顔・声量一定・歩行安定」)


⑩ まとめ

良い記録は、“賢い現場”の証明
誰が読んでも同じ対応ができる文章にすることで、
✅ 事故が減り
✅ 情報共有が速くなり
✅ ケアの質が継続的に上がる。

記録は「作業」ではなく、チームの“思考の軌跡”です。