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月別アーカイブ: 2025年11月

マゴコロ通信~罪悪感・疲労・葛藤に寄り添う~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

罪悪感・疲労・葛藤に寄り添う

 

① 家族の感情曲線を知る(名前をつけるだけで楽になる)

  • 感情の流れ
     否認 → 怒り → 取引 → 抑うつ → 受容
      日によって行き来するのが自然な反応。

  • 言葉がけのポイント
     「そう感じるのは自然です」
     「一緒に作戦を立てましょう」

  • 比較の罠
     「隣の家はできている」→ 家庭ごとに条件・支援体制が違うと説明する。


② 期待値の再設計:家族会議の“型”

1️⃣ 目的共有:「“できることを増やす”を優先に」
2️⃣ 役割分担:家事・見守り・通院同行を具体的に割り振る
3️⃣ レスパイト計画:デイ・ショート・訪問看護など、使い時を決めておく
4️⃣ 連絡網の整備:昼/夜/緊急時の窓口を一本化

“話し合い=負担調整の時間”と位置づけることで、家族の安心感が増す。


③ よくある葛藤と介入

家族の葛藤 対応・提案
「入浴は毎日!」論争 安全と体力を優先し、部分清拭+足浴を提案。
「自分がやるのが愛情」 “やり方を整える=愛情”と再定義。用具・導線を省力化。
金銭不安 小額財布+レシート貼付で見える化。詐欺対策も併せて説明。

④ 家族への説明トーク例

「“毎日完璧”より、“無理なく続くやり方”が安全です。
今日は足湯と清拭で温まって、明日入浴にしましょう。
記録を写真で共有して、うまくいった型を増やしますね。」

言葉+共有+振り返りで“成功体験”を可視化。


⑤ レスパイトの導入は“後ろめたさ”に効く

  • 事実:休む家族ほど介護を長く続けられる。

  • 選択肢
     ・デイの短時間利用
     ・入浴のみ利用
     ・ショートステイ“半日”から始める

  • 休むサイン
     怒りっぽい/眠れない/涙が出る → 「そろそろ休む合図」️

“休む=続けるための技術”として伝える。


⑥ 境界線とセーフティ(ヘルパーを守る)️

  • 金銭・鍵・通帳
     原則として触れない。受け渡しは第三者立ち会い。

  • ハラスメント対応
     複数訪問・記録・通報フローを事前に説明。

  • 個人連絡先
     利用者・家族に渡さず、事業所を窓口に統一。

⚠️ 現場を守る仕組みが「継続支援」の土台になる。


⑦ 現場ケース

介護疲れで口論が続いていたNさん一家

  • 状況:入浴頻度をめぐり夫婦喧嘩が常態化。

  • 介入:家族会議で週2全身浴+隔日清拭に合意。
     → 「できた日シール」で成功体験を可視化。

  • 結果:口論が半減し、会話時間が増加。

「達成感の共有」が家族の雰囲気を変える。


⑧ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ 家族の感情に“名前”をつけて返したか
☐ 役割・連絡網・レスパイトの3点セットを提案したか
☐ 金銭・鍵・通帳には触れない運用にしたか
☐ ハラスメント対応の窓口を周知したか


⑨ まとめ

家族支援は「説得」ではなく「整えること」。
言葉 × 選択肢 × 休む仕組み を整えることで、
家族はもう一度“介護を続ける力”を取り戻します。

寄り添いとは、我慢を減らし、希望を見える形にすること。

 

 

 

マゴコロ通信~SOAP・経過記録・引き継ぎの“型”~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

SOAP・経過記録・引き継ぎの“型”

 

① 記録の原則:事実 → 評価 → 計画(SOAP)

要素 内容 記入例
S(主観) 利用者・家族の言葉をそのまま引用 「『今日は足が重い』と訴え」️
O(客観) 観察した事実・数値・時刻 「歩行速度低下、SpO₂ 96%、食事6割」
A(評価) SとOからの仮説 「疲労+軽度の脱水の可能性」
P(計画) 次の行動・方針 「白湯200ml、午後は外出控えめ。明日も歩行速度を確認」

ポイント
誰が読んでも同じ行動が取れるよう、事実 → 判断 → 次の一手を明確に。


② “悪い記録”を“良い記録”に直す ️

NG表現 OK表現 改善のポイント
「部屋が汚い」 「床に洗濯物3点、廊下に紙パック2本」 状況を具体的に描写
「機嫌が悪い」 「声量が上がり『帰る』を5回発言」 主観を排除し、事実で表す
「いつも通り」 「朝食:粥200g、味噌汁半分」 定量的に記録

判断語を避け、誰が読んでも同じ光景が浮かぶ“再現性のある記録”を意識。


③ 経過記録テンプレ(コピペ推奨)

〈時刻〉8:55 〈出来事〉入浴介助
〈観察〉立ちくらみ×1回(約30秒)
〈対応〉座位休息+白湯100ml
〈結果〉表情改善
〈次回〉入室前の水分声かけ、浴室マット増設検討

3行ルール
1️⃣ 今日起きたこと
2️⃣ なぜ(仮説)
3️⃣ 次回どうする

視認性UPの工夫
タグ絵文字で定型句を見やすく(例:=入浴/=食事/=口腔ケア)。


④ 引き継ぎメモは“未来志向”で

  • NG:「特になし」「いつも通り」

  • OK:「昼食後に眠気強く、15時の散歩は短めに」「便秘傾向:最終排便8/20」

連絡先も明記
主治医 → 訪問看護 → ケアマネの優先順を統一。


⑤ 監査・指導でつまずくポイントと対策

よくある問題 改善策
計画と記録のズレ
(目標“掃除”なのに内容“会話”ばかり)
ケア目標を生活目標に翻訳:「来客を迎えたい」など具体化。
同じ表現のコピペ 食事量・歩行速度・表情・排泄などの時系列変化を観察。
個人情報の扱い 必要最小限の記載+施錠・持ち出しルール徹底。

⑥ 家族・多職種に伝わる“短文の型”

「今日は歩行速度が遅めで昼食は6割、白湯で改善。明日は入浴前に水分を先に取ります。」

1文の構成ポイント

  • 数字(定量)

  • 比較(変化)

  • 次の一手(行動計画)


⑦ 現場ケース:記録の言い換えで転倒予防

  • Before:「ふらつきあり」

  • After:「立ち上がり2回目でふらつき、椅子に手をつかない。夜間トイレ2回」

→ 足元灯+手すり設置を提案し、夜間転倒ゼロを実現。


⑧ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ S/O/A/Pの順に書けたか
☐ 事実と解釈を分けたか(引用と数値)
☐ 次の一手(P)を書いたか
☐ 引き継ぎメモを未来志向で残したか


⑨ ミニワーク(5分)

今日の記録から 判断語を3つ削除 し、
事実表現 に言い換えてみよう。

(例:「元気そう」→「会話時に笑顔・声量一定・歩行安定」)


⑩ まとめ

良い記録は、“賢い現場”の証明
誰が読んでも同じ対応ができる文章にすることで、
✅ 事故が減り
✅ 情報共有が速くなり
✅ ケアの質が継続的に上がる。

記録は「作業」ではなく、チームの“思考の軌跡”です。

 

マゴコロ通信~事故ゼロに近づく“見える化”とチーム運用~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

事故ゼロに近づく“見える化”とチーム運用

 

① リスクの棚卸し:マトリクスでTop5を決める 🎯

  • 評価軸:重大性(S)× 頻度(F)をマトリクスで分類。
     例)
     - S高 × F高:転倒(夜間トイレ)/誤薬(旧薬混入)
     - S高 × F低:火災/誤嚥
     - S低 × F高:軽微な打撲/小物紛失

  • 方針
     リスクTop5を抽出し、資源を集中投下。
     👉 対策例:手すり設置・照明改善・服薬管理仕組み化


② 初動フロー:事実 → 安全 → 連絡 → 記録 → 共有 📣

1️⃣ 事実確認:呼吸・意識・出血の有無をチェックし、周囲の危険を除去。
2️⃣ 安全確保:体位・保温・安静を維持。必要に応じて 119通報
3️⃣ 連絡:家族 → ケアマネ → 主治医/訪問看護(順序は事業所ルールで統一)。
4️⃣ 記録:事実と推測を分けて記入。
 🕒 時刻/場所/状況/対応/結果を具体的に。
5️⃣ 共有:当日中にチーム全体へ報告し、再発防止を迅速に。


③ 再発防止会議の進め方(KPT+5Whys) 💬

  • KPT法
    K(Keep):良かった点
     - P(Problem):課題
     - T(Try):次の改善策

  • 5 Whys(なぜを5回)で真因を掘り下げる
    > 例)転倒 → 夜間暗い → 足元灯なし → 設置していない理由は? → 費用/認知の問題 → レンタル提案+家族説明

  • アクション設定
    👉 改善策には必ず「期限」と「責任者」をセットで。✅


④ 領域別ミニマム対策 🛠️

リスク領域 最低限の対策ポイント
転倒 履物・段差・動線・手すり・夜間照明。歩行スピードと立ち上がり回数を観察。
誤嚥 姿勢・一口量・食形態・食事速度。食後30分は座位保持。
火災 IH調理/自動消火装置/感知器設置。外出時は電源チェック表を活用。
金銭 レシート貼付・代理受領ルール・財布の定位置化。
誤薬 💊 一包化・ラベル・保管場所固定・旧薬廃棄の徹底。
個人情報 書類の持ち出し最小化。施錠・シュレッダー徹底。

⑤ 現場ケース 🌟

  • Kさん(夜間転倒)
     👉 足元灯+ポータブルトイレ+ベッド高調整 → 夜間歩行ゼロに。

  • Lさん(誤嚥)
     👉 食形態をムース化、“一口ごと嚥下確認”でむせ回数1/4に減少。

  • Mさん(金銭トラブル)
     👉 レシート貼付+小額財布導入で家族の不安が解消。


⑥ 監査・指導に強い書類のコツ 📑

  • 整合性の確保
     計画書・記録・報告書の表現を統一。

  • ヒヤリハット集計
     月次で件数をグラフ化し、対策実施率も併記。📊

  • 研修記録
     参加者/内容/所要時間/振り返りを記載して保存。


⑦ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ Top5リスクを決定し、担当者と対策を明確化したか。
☐ 事故時の初動フローを掲示・周知したか。
☐ ヒヤリハットを月次で集計・KPTで議論したか。
☐ 記録書類の整合性を確認したか。


⑧ まとめ 🛡️

リスクは「なくす」ではなく「管理する」もの。
見える化 × チーム運用で、
在宅の安全と安心を底上げしましょう。

👥 共有・仕組み・継続こそ、事故ゼロへの最短ルートです。

 

 

 

マゴコロ通信~標準予防策~

皆さんこんにちは!

株式会社マゴコロ、更新担当の中西です。

 

さて今回は

😷 標準予防策を“ルーティン”にする

 

① 標準予防策の基本(いつも同じ型で)

  • 手指衛生(5つのタイミング) 🙌
     ① 訪問前
     ② 入室時
     ③ ケア前後
     ④ 体液接触後
     ⑤ 退出時
     👉 アルコールが使えない汚れは「石けん+流水」で洗う。

  • 個人防護具(PPE)
     状況に応じて:手袋・マスク・エプロン・ゴーグルを選択。

  • 咳エチケット
     本人・家族にもティッシュ・マスクの使い方を共有。


② 場面別・実践手順 🧽

ケア場面 標準的な対応手順
入浴・清拭 手袋着用 → 終了後に手すりなど高頻度接触面を拭き取り。
排泄介助 手袋+エプロン。便汚染物は密閉袋に。トイレ清拭は上から下へ。
洗濯 手袋で取り扱い → 直接洗濯機へ。衣類をはたかない。乾燥まで実施。
清掃 ドアノブ・手すり・スイッチなどを定期的に拭き掃除。
調理 生食材と器具を分ける。まな板・包丁は洗浄→乾燥を徹底。

③ 嘔吐物・下痢時の対応(概要) 🧴

  • 換気・ゾーニング:出入りを最小にして空気を流す。

  • 装備:使い捨て手袋・マスク・エプロン・ゴーグル(必要時)。

  • 処理手順
     1️⃣ 外側から内側へペーパーで拭き取り。
     2️⃣ 家庭用塩素系製品(表示濃度)で拭き取り。
     3️⃣ 布類は密閉袋に入れ → 洗濯へ。

  • 手指衛生:処理後はしっかり手洗い。


④ 季節ごとの注意ポイント 🍃

  • 冬(インフルエンザ対策) ❄️
     ・加湿と換気のバランスをとる。
     ・加湿器の水替え・洗浄を忘れずに。

  • 夏(食中毒・脱水対策) ☀️
     ・台所の拭き取り回数を増やす。
     ・飲水をこまめに声かけ。🥤


⑤ 家族への説明トーク例 💬

「消毒は“やりすぎ”も“やらなすぎ”も困ります。
手がよく触れる場所を毎日拭く、吐物は表示濃度で拭く、終わったら手洗い。
この3つだけを続けるのが一番効果的です。」


⑥ レッドフラッグ 🚩(受診・連絡の目安)

  • 🌡️ 38℃以上の発熱 + 強い咳/息苦しさ/ぐったり感

  • 🤢 激しい嘔吐・下痢・血便・意識変化
     → 主治医・訪問看護へ連絡。緊急時は 119通報。🏥


⑦ 今日から使えるチェックリスト ✅

☐ 手指衛生のタイミング(前・後・接触後)を守ったか
☐ PPE(手袋・マスク・エプロン等)の使い分けができたか
☐ 高頻度接触面の拭き取りをルーティン化できたか
☐ 嘔吐物処理の流れを家族と共有できたか


⑧ まとめ 😌

いつもの型」に落とし込むほど、ブレは減る。
標準予防策を 淡々と回す ことが最大の防御です。
流行期はほんの少しだけ強化、それが在宅の最適解。

🏠 日々の習慣が、感染ゼロのいちばんの近道です。